運動後や夏などで、汗をかいたあとのお肌は、どのような状況なのでしょうか?汗をかくことは美肌へと導くためにいい要素もあるものの、しっかりとケアをしなければ、様々な肌トラブルを招いてしまう可能性があります。今回は、汗をかくことのお肌への影響や、汗をかいたあとのスキンケア方法をご紹介します。
汗をかくことはお肌にいい
汗をかくことは、お肌本来の美しさを引き立てるためにメリットがあります。
「あまり汗をかきたくない…」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、発汗はお肌に様々なメリットがあるのです。汗をかくことによってお肌に与える好影響をご紹介していきます。
お肌の新陳代謝を整える
お肌は「ターンオーバー」といい、古くなった皮膚が「角質(角質細胞)」として剥がれ落ちて、その内側から新しい皮膚が表面に出てくるように生まれ変わっています。このターンオーバーが乱れてしまうと、古い角質によってお肌のキメが荒くなったり、くすんでしまったりするのです。
そしてこのターンオーバーは、お肌の表面が弱酸性の状態であるときに、表面の角質層が剥がれ落ちやすくなります。そして、人間は汗をかくことでお肌の表面を弱酸性に保っているのです。
ターンオーバーを整えることは、黒ずみ毛穴(毛穴の汚れ)などにも効果が期待できます。
お肌表面の雑菌やニオイにも◎
汗には抗菌力がある物質が含まれているだけでなく、汗と一緒に雑菌を流してくれる効果があります。
また、汗に対し「クサい」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、身体から出てきたばかりの汗はほとんど匂いはしないほか、皮膚表面の匂いとなる物質も一緒に流れ出してくれます。
しかし、汗に対して逆のイメージを持っている方も多いかと思います。
この理由は、汗をかくことは、お肌にいい影響を与えるものの、正しいケアを行わなければ、効果が薄れるどころか様々な肌トラブルが発生してしまうからなのです。
汗をかいたあとのお肌は非常にデリケート
お肌にとっていい影響があるものの、汗をかいた後のお肌は傷つきやすく、様々なお肌トラブルが発生しやすいデリケートな状態なのです。汗をかくことで、お肌がどのような状態となってしまうかをご紹介していきます。
汗をかいたあとのお肌は「乾燥しやすい」
汗をかいたあとは、お肌の大敵である「乾燥」しやすい状態となっています。汗の99%は水分で構成されているため、運動などで汗をかくことで、お肌表面にうるおいを与えます。しかし、この汗は、体温調整のために蒸発してしまいます。
さらに、この汗と一緒に、お肌の1番外側で水分をキープする役割を持つ「天然保湿因子(NMF)」も奪われてしまいます。
つまり、汗をかいたあとのお肌は「乾燥」しやすい状態なのです。
お肌が持つ「バリア機能」が低下しやすい
乾燥してしまうと、お肌本来が持つバリア機能が低下してしまい、紫外線や細菌といった外的要因によるダメージを受けやすくなってしまいます。
保湿といったスキンケアを行わなければ、せっかくお肌に影響を与えてもお肌トラブルを招いてしまう可能性もあるのです。
ニオイや雑菌が繁殖してしまうことも
上記のように、汗そのものにはニオイの原因となる効果はほとんど含まれていません。しかし、汗に含まれている脂質やアミノ酸などの成分が、皮膚に存在する細菌に分解されたり、最近が皮膚表面で分解してしまうことで、結果的に「ニオイ」が発生してしまう可能性があります。
発疹などの原因にも
かいた汗を放置してしまうと、発疹などにつながる可能性もあります。
放置すると、塩分など汗に含まれている成分などが、汗をお肌表面に送り出す機能を持つ「汗腺」が塞がれてしまう危険があります。
もしこの汗腺を塞いでしまうと、かいた汗が皮膚の中に汗がたまってしまい、発疹など様々なお肌トラブルへと発展してしまうこともあるのです。
汗をかいた後のスキンケアのポイント
ここまで、汗そのものはお肌にとって好影響があるものの、対処を間違えると様々なトラブルへと発展してしまうことをご紹介してきました。ここからは、どうすれば汗をかくことで美肌に導くことができる方法や注意点をご紹介していきます。
こまめに拭き取る&なるべく早く洗い流す
基本的に汗をかいたら、なるべき早く拭き取るようにしましょう。上記のように、汗の蒸発とともにお肌の水分も一緒に奪ってしまうほか、雑菌の繁殖、汗腺のつまりなども引き起こしてしまう可能性があります。
表面の汗をそのままにしないことが大事です。
なるべく早く洗顔や入浴を
汗をタオルなどで拭き取っても、限界はあります。汗をかいたあとには、なるべきはやく洗顔や入浴によって、体に残った汗を洗い流すようにしましょう。
タオルは「押し当てる」ように使う
たまにやってしまうのは「汗を拭き取るためにタオルでゴシゴシと拭ってしまう」ことです。せっかく汗を拭きとったとしても、摩擦によるダメージでかえってお肌を傷つけてしまいます。汗をタオルで拭き取る際には「やさしくかるく当てるように」使うようにしましょう。
タオルに限らず、「お肌には摩擦を与えない」ようにしましょう。
しっかりと「保湿」する
特に夏などの時期や汗をかいた後のスキンケアにおいて、お肌がベタベタすることを嫌がり、乳液やクリームなどによる「保湿」を省くことに注意しましょう。
乳液やクリームなどは、化粧水などによりお肌に与えた水分をキープする役割を持っています。一時的に化粧水でお肌表面が潤っていても、すぐに乾燥してしまうのです。
特に男性は乳液などの感触を嫌がりがちです。汗をかいたあとのお肌は乾燥しやすいため、お肌にうるおいを与えるだけではすぐに乾燥してしまいます。夏や汗をかいた後でも、しっかりと「保湿」を行うようにしましょう。
洗顔のしすぎに注意
汗によるべたつきを落とそうと、何度も洗顔を使用してしまったり、洗浄力が高い洗顔料を使用しすぎるのは避けましょう。「洗いすぎ」になってしまい、かえって皮脂の過剰分泌を引き起こしてしまったり、摩擦によるお肌ダメージを受けてしまいます。
低刺激なスキンケア用品を
汗をかいたあとのお肌はデリケートな状態のため、普段よりもスキンケア用品がしみると感じることがあるかもしれません。
化粧水などスキンケア用品がしみるのは、なんらかの原因によって「お肌のバリア機能が低下してしまっている」状態のことが多いです。
普段は大丈夫だけど、運動後や汗をかいたあとにはしみるという方は、敏感肌用や低刺激なもの、汗をかいたあとにおすすめされているスキンケア用品に見直すようにしましょう。
どのようなスキンケア用品でも、自分のお肌にあわないものもあるほか、別の原因によってヒリヒリしている可能性があります。自己診断を頼らず、皮膚科などん受信も検討しましょう。
入浴後なるべくはやくスキンケアを
汗をかいたあと+お風呂からでたあとは、お肌が非常に乾燥しやすい状態となっています。スキンケア用品は、入浴をしたあとにはすぐに行うようにしましょう。
ジムやサウナなどで出先で外出する方は、小さな容器に入れ替えるか、持ち運びやすいスキンケア用品を選ぶといいでしょう。
普段から汗をかく習慣を
また、汗をかくことはお肌にとって大切なことですが、「長期間汗をかかない」ことには注意が必要です。
あせをかかないことが続いてしまうと、汗腺の機能が弱まってしまったり、突然の汗にお肌が対応できす、様々な肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
- 定期的に運動する
- 毎日入浴する
- しっかりと水分補給をする
上記のように普段から「汗をかきやすくなる習慣」を意識しましょう。
気温が低い「冬」では、気づいたらしばらく汗をかいていなかったということが発生しやすいです。特に一人暮らし用の方や、普段湯船につかる習慣がない方は注意しましょう。
正しいスキンケアでスポーツや汗の相乗効果を
- 汗をかくことはお肌にいいことである
- 普段から汗をかく習慣を
- 汗をかくと非常にデリケートな状態になる
- 汗を放置すると様々なトラブルに発展してしまう
- 汗はこまめに拭き取り、なるべく早く入浴して洗いながす
- 入浴後にしっかりと保湿を!
スキンケアは、知らず知らずのうちにお肌にダメージを与えてしまったり、間違ったイメージを持ってしまっていることが多いです。どんなに高級なスキンケア用品を使っても、普段の生活やスキンケアの方法を間違ってしまえば効果が出にくいものです。
特にサウナやワークアウト、様々なスポーツなどで普段から汗をかく習慣がある方は、よりそのメリットを生かすためにも、正しい方法を身につけるようにするといいでしょう。